皆様こんにちは。福祉のキャリアカレッジです。皆様の中には、「日本式介護」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。実は、介護スタイルは万国共通ではありません。皆様が日本で学んでいる介護スタイルは日本特有のもので、海外のスタイルとはかなり違っています。どちらが優れているということではなく、国によって介護に対する考え方や制度が異なるからです。そこで、今回は日本と海外の介護スタイルがどのように違うのか、なぜそのような違いが生じるのかということについて解説します。
日本式介護の特徴とは?
日本式介護のベースは、介護保険制度です。この制度があるおかげで、介護が必要な状態になれば、当たり前のように介護サービスを受けることができます。在宅で介護を受けるなら、訪問介護やデイサービスが対象です。在宅で介護をするのはむずかしいということであれば、有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、介護施設に入所するという選択もできます。介護施設や事業所の数が不足していると言われがちですが、海外と比べると、数が多く充実している状態です。そのため、状況に応じた手厚い介護サービスを受けることができます。
海外の介護スタイルは?
海外も国によって介護スタイルが異なります。海外の介護スタイルとひとくくりにすることはできません。そこで3つの国をピックアップして、日本の介護スタイルとの違いを解説します。
- スウェーデンの介護スタイル
スウェーデンは高負担高福祉で知られている国です。標準消費税が25%、食料品消費税が12%という高い税金が掛けられている一方で、それを財源とする社会保障制度がとても充実しています。高齢者福祉に関しては、在宅介護がメインです。高齢者が住み慣れた自宅で生活し続けられるように支援するという介護スタイルなので、高齢者向けのサービスは自立生活を支援するものが中心になります。周囲の人が世話をするのではなく、本人が自立生活をするために援助するというスタイルです。
- ドイツの介護スタイル
ドイツには介護保険制度がありますが、介護施設の料金が高く、保険給付額が少ないため、介護施設を利用するのは重度の要介護者だけです。介護を要する高齢者の約7割が在宅ケアを受けており、その約半分は家族のみで介護をしています。介護休業制度や2015年に施行された改正家族介護時間法など、家族が介護を担うための法律や制度が整備されている国です。
- デンマークの介護スタイル
デンマークもスウェーデン同様、高負担高福祉で知られる国です。消費税率が25%、所得税率が55%と高い一方で、医療費や大学卒業までの教育費が無償になるなど、社会保障はとても充実しています。介護政策としては、1980年代に国が老人ホームを無くす方向で舵を取り、施設介護から在宅介護へ大きくシフトしました。要介護認定を受けなくても、24時間体制の在宅介護サポートを受けられる点が特徴です。また、介護職員は公務員として扱われるため待遇や給与が安定しており、担い手が不足する心配もありません。
介護という概念がない国もある
日本の高齢化率は世界1位、先に紹介したスウェーデンは8位、ドイツは4位、デンマークは13位といずれも高齢化率の高い国です。高齢化が進んでいる国は、身近な問題として介護の在り方を考え、国の実情に合う介護スタイルを政策として模索します。しかし、病気や戦争等で多くの人が若いうちに亡くなる国の平均寿命は短く、介護を必要とするような高齢者がほとんどいません。実は日本が不足している介護人材を求める東南アジアの国々には介護という概念がない国も多く、介護とは何かを説明する段階で苦労することもあるようです。
いかがでしたか。日本は周りが手を貸す介護、海外では自立を促す介護が主流だということがわかったのではないでしょうか。昨今は、日本式介護が海外に輸出される一方で、海外の在宅介護のやり方が日本に取り入れられることもあります。どちらが正しいというのではなく、介護スタイルにはお国柄がよく現れていると捉えるとよいでしょう。日本で介護を学んでいる皆様は、日本式介護のホスピタリティを十分に発揮できるようにがんばってください。
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