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2024.09.17 更新

高齢者の爪切りは要注意!切ってもいいのか迷いやすい肥厚爪とは?

皆様こんにちは。福祉のキャリアカレッジです。皆さんは、日頃高齢者のお世話をしていて、「もしかしてこれは医療行為?」と不安になることはありませんか。たとえば、爪切り。爪の状態やご本人の体調によっては、介護職員ができる範囲を超えてしまうことがあります。そこで、今回は、高齢者に多い肥厚爪の対処方法と、介護職員ができる範囲での上手な爪の切り方について解説します。

介護職員ができる爪切りの範囲は限定されている

介護職員が爪切りをする場合、以下の条件をすべて満たしている必要があります。

・爪そのものに異常がないこと。

・爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がないこと。

・糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が不要であること。

つまり、通常の状態であれば爪切りをしてもかまわないが、爪や周りの皮膚に異常が見られたり、容体が安定しなかったりする場合はダメということです。切ってもいいのか迷う状態のときは、事前に医師や看護師に確認した方が良いでしょう。

高齢者の足に見られる肥厚爪とは?

高齢になると、爪水虫や巻き爪、陥入爪など、足の爪にトラブルを抱えている人の割合が多くなります。とはいえ、これらの爪トラブルは、若い人の足にも見られるものです。しかも、色が変色している爪水虫や、皮膚に食い込んでいる巻き爪、陥入爪は、明らかに介護職員の手には負えないということがわかります。

 

その点「肥厚爪」は厄介です。爪が変形して分厚くなっている状態を「肥厚爪」というのですが、タイプが1つではありません。爪そのものが分厚くなっているもの、薄い爪が何層にもなっているもの、爪の中に角質層ができ盛り上がっているものなど、形状がさまざまです。とにかく、普通の爪切りで切れないくらい分厚くなっていたら、それは肥厚爪と考えて間違いありません。肥厚爪は高齢者に特有の爪トラブルで、多くの高齢者の足に見られます。厄介というのは、状態によっては介護職員でも手入れできる場合があるからです。

 

高齢者の足に肥厚爪が多くみられる理由

高齢になると、身体の各部分で組織の成長速度が遅くなります。それは爪も同様で、高齢者の爪は1カ月当たり0.5mm程度しか伸びません。これは若いころの半分以下です。なかなか伸びない爪は、外部からの力や刺激をより長く受け続けることになります。たとえば、足に合わない靴を履いていたら、長時間圧迫されることになるため、肥厚化しやすいのです。さらに、高齢者の爪は水分量も減っています。爪の乾燥も肥厚化を進める要因の1つです。

 

肥厚爪の放置は厳禁!

肥厚爪を放置すると、QOLの低下につながります。というのも、爪が分厚くなった状態では、靴に圧迫されて痛みを感じることになり、うまく歩けなくなるからです。足に痛みを感じると、歩くのを控えるようになるでしょう。外出を控えると筋力の低下や、認知機能の低下が急激に進む可能性があります。また、分厚くなった爪をそのままにしておくと、爪本体やその周りの皮膚が白癬菌などの温床になりかねません。

高齢者の足の爪を切るときの注意点

高齢者の爪を切るときは、以下のような点に注意が必要です。

・相手の足元にしゃがむか、低い椅子を置いて座る。

・対面ではなく、自分の足の爪を切るような角度で見ながら切る。

・自分の太ももに相手の膝下を乗せ、自分の腕と太ももを使って、相手の膝から下をしっかりと固定する。

・肥厚爪は入浴後など爪が柔らかくなっているタイミングを選んで切る。

・肥厚爪はニッパー型の爪切りと爪やすりで手入れすると形を整えやすい。

・爪は横向きに切り、角は切りすぎないようにする。

・深爪にならないように、ある程度の長さまで切ったらやすりをかけて仕上げる。

・切った後は保湿クリームを塗って乾燥を防ぐ。

 

足の爪を切ろうとすると、つい足首から先だけ持ち上げてしまいがちですが、先の方だけ持つと、相手の身体が後ろに倒れてしまいます。足を固定しにくいうえに、相手もバランスを取りにくい体勢になり危険です。また、車いすのフットサポートに足を乗せたまま切るのもよくありません。車いすごと転倒する原因になります。

いかがでしたか。今回は、高齢者によく見られる肥厚爪の爪切りについて解説しました。肥厚爪は、多くの高齢者の足に見られるものなので、施設等で働き出せばすぐに見かけることになるでしょう。介護職員が自分で切ってもよいか迷うことも多い爪の状態なので、事前に知っておいてもらえればと思いご紹介しました。今回の話を、記憶の片隅にでも置いておいてもらえれば幸いです。

 

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